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家賃上昇時代でも油断は禁物!
入居者に選ばれる物件にする空室対策

近年、首都圏の賃貸マンション市場では、募集家賃の上昇傾向が続いています。

アットホームの2026年6月調査では、マンションの平均募集家賃が東京23区、東京都下、神奈川県、埼玉県、千葉県の首都圏全エリアで全面積帯において前年同月を上回りました。さらに、東京23区のシングル向きマンションは25カ月連続で2015年1月以降の最高値を更新しています。

このような状況を見ると、「賃貸需要があるなら、多少古い物件でも入居者は決まるのでは」と考える方もいるかもしれません。

しかし、家賃が上がっている時期だからこそ、入居者は家賃に見合う価値をより慎重に見ています。
築年数が経った物件でも、基本的な管理状態や設備を見直すことで、入居者から選ばれる可能性を高めることができます。

今回は、最新の入居者ニーズを踏まえながら、空室対策で見直したいポイントをご紹介します。

 

家賃上昇時代でも、空室対策が必要な理由

首都圏の賃貸需要は底堅い状況が続いていますが、すべての物件が同じように選ばれるわけではありません。

入居者は、物件を探す際に家賃だけでなく、駅からの距離、周辺環境、室内設備、共用部の清潔感、セキュリティ、インターネット環境などを比較しています。

特に家賃が上がっている局面では、
「この家賃を払うだけの価値があるか」
「同じ家賃なら、より設備が整った物件を選びたい」
という視点が強くなります。

つまり、空室対策では単に家賃を下げるのではなく、入居者が納得できる価値を整えることが重要です。

まずは基本状態を見直す

築年数が経った物件の場合、最初に確認したいのは、特別な設備よりも基本的な管理状態です。

たとえば、以下のような点は入居希望者の印象に大きく影響します。

確認ポイント

見直したい内容

共用部

エントランス、廊下、階段、ゴミ置き場の清潔感

室内

壁紙、床、水回り、照明、におい、傷や汚れ

設備

 エアコン、給湯器、インターホン、コンロなどの老朽化

建物管理

修繕履歴、外観、掲示物、管理状態

募集情報

写真の見せ方、設備情報の記載漏れ、周辺環境の説明

どれだけ立地が良くても、共用部が汚れていたり、設備が古いままだったりすると、入居希望者に不安を与えてしまいます。

まずは「入居者の目線で見たときに、安心して住みたいと思える状態か」を確認することが大切です。

 

“付いていて当たり前”の設備を整える

近年は、入居者にとって標準的に求められる設備の水準も上がっています。

全国賃貸住宅新聞の2025年人気設備ランキング関連の記事では、エアコンが全国で必須設備として扱われ、猛暑などの影響から、部屋探しの際に必須条件にする人が多いと紹介されています。

エアコンが古い、効きが悪い、見た目に年季が入っている場合は、交換を検討することで内見時の印象改善につながります。

また、インターネット環境も重要です。
在宅勤務や動画視聴、オンライン学習など、日常生活におけるインターネット利用は欠かせないものになっています。単に「インターネット対応」とするだけでなく、無料で使えるか、速度は十分か、入居後すぐに使えるかといった点も見られやすくなっています。

まずは、以下のような基本設備を確認してみましょう。

設備

確認ポイント

エアコン

年式、効き、清掃状態、交換時期

インターネット

 無料対応、速度、入居後すぐ使えるか

モニター付きインターホン

防犯面で安心感があるか

水回り

 清潔感、使いやすさ、におい、古さ

照明・コンセント

 生活しやすい配置になっているか

差別化につながる設備も検討する

基本設備を整えたうえで、競合物件との差別化につながる設備を検討することも有効です。

全国賃貸住宅新聞の調査では、今後需要が高まると考えられる設備の第1位に「宅配ボックス」が選ばれています。

宅配ボックスは、日中不在が多い会社員や単身者、共働き世帯にとって利便性の高い設備です。ネット通販の利用が一般的になった現在では、物件選びの際にプラス評価されやすいポイントといえます。

また、セキュリティ面では、モニター付きインターホンやオートロック、防犯カメラなども入居者の安心感につながります。特に一人暮らしの入居者や女性入居者にとって、防犯面は重要な判断材料になりやすい項目です。

差別化につながる設備としては、次のようなものが考えられます。

設備

期待できる効果

宅配ボックス

不在時の荷物受け取りニーズに対応

高速インターネット

在宅勤務・動画視聴などに対応

オートロック

防犯面の安心感を高める

防犯カメラ

共用部の安心感を高める

浴室乾燥機

 雨の日や花粉時期の洗濯ニーズに対応

独立洗面台

身支度のしやすさ、清潔感を訴求

収納改善

 室内を広く使いたいニーズに対応

ただし、設備投資はやみくもに行えばよいわけではありません。
物件の立地、想定入居者、家賃帯、周辺競合の設備状況を踏まえて、費用対効果を考えることが重要です。

空室対策は「購入後」だけでなく「購入前」から考える

空室対策というと、すでに空室になってから行うものと思われがちです。

しかし、投資用マンション経営では、購入前の物件選びの段階から空室リスクを意識しておくことが大切です。

たとえば、駅からの距離、周辺の生活利便性、建物管理の状態、入居者層に合った間取りや設備が整っているかどうかは、将来の入居率に関わります。

また、購入後も定期的なメンテナンスや設備更新を行うことで、物件の競争力を維持しやすくなります。

マンション経営は、購入して終わりではありません。
長く安定した運用を目指すためには、入居者に選ばれ続ける物件づくりが重要です。

まとめ

首都圏の賃貸市場では募集家賃の上昇傾向が見られますが、空室対策の重要性が下がったわけではありません。

むしろ、家賃が上がっている時期だからこそ、入居者は物件の価値をより慎重に見ています。

築年数が経った物件でも、共用部や室内の清潔感、基本設備の状態、インターネット環境、セキュリティ、宅配ボックスなどを見直すことで、入居者から選ばれる可能性を高めることができます。

空室対策で大切なのは、
「築古だから仕方ない」とあきらめるのではなく、
「今の入居者にとって魅力的な物件になっているか」を見直すことです。

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